〜 第一章 〜

あの頃の走りを取り戻せ!
「足まわりを変えれば車は蘇るんです!」





  ここに1枚の写真がある。

パルサー、

そのオーナー、

そして、集った仲間達だ。





平成20年夏、

石川県千里浜

普通自動車が走れる砂浜が続く海岸だ。
ここにパルサー好きが集まった。

「足と全塗装がしたいんですよ〜」
オーナーの何気ない一言から妄想は
膨らんで行った。

それは、1台のパルサーを徹底的に
リニューアル+αしようという計画だ。


千里浜から数日後、部品担当をかって出た、久遠による部品リストが作られた。
郵送された大量のリストを見て、かいざーは言った。
「…予算、イケるんか!?」

久遠、
「多少のオーバーはOKらしいよ〜。本人も、やるなら徹底的に、って言ってたし〜」

かくして、70点以上の部品発注がなされた。

「暫くは会社で自分の部品買えねーよ」 笑いながら久遠は言った。
「ところでさ〜、アレ流用できそうなんやけどコレも発注しようか〜?」

毎晩遅くまでの過酷な仕事の合間、彼は最もこのプロジェクトを楽しんでいた。







平成20年秋、

いくつかの部品がバックオーダーになることは予想できたことではあったが、
久遠の突然の他界を誰が予想しえただろうか。
全てが揃うまでには時間が必要であったが次々と部品は揃い、ついに決行の日を迎える…








平成20年初冬、

水面下での準備も整い、

ついに、作業が始められた。


対象のパルサーには
TEINのFLEXが装着されている。

しかし、走行距離もかさみ、
抜け気味に。

これを交換する。


車高調・・・

文字通り、
車高を調整できる脚周りから
車高固定式である純正へ。


作業はまず、フロントから。

左右同時に進められた。


 


一見、性能ダウンのように
見えるが、耐久性、走行性能、
乗り心地を高い次元でバランス
させているのが純正仕様である。

特に走行性能を特化させた仕様
では、車体全体への影響も否めず
長く乗る為には「純正」、という
選択は有効だ。

さらには、この仕様は300台限定
で登場したVZ-R N1 Ver.II の
ものである。


次にリアを交換。


リアの脚周りは
内装を剥がさないと
触れない。

下準備が
 不可欠である。

 





後半へ   .